2017年1月14日土曜日

Storjが”プレシリーズA”で100万ドルを調達予定






分散型クラウドストレージStorjの開発元であるStorj LabsがシリーズAに向けた資金調達を開始しました。
SECに提出されたFORM Dはコチラです。

出資者の募集がBNK To The Futureにて行われており、目標金額は100万ドルです。

Storj 'Pre-Series A' - Cloud shared by the community on the Blockchain


プレシリーズAということですので、他からも資金調達を行うわけですが、総額いくら集めることになるか楽しみですね。


Storjについて

Storjは分散型のクラウドストレージネットワークです。
Dropbox等と同じようなクラウドストレージのサービスを提供しますが、分散型というように、ストレージの供給はStorjコミュニティーの未使用のストレージスペースにて賄われます。

ストレージスペースを提供するメンバーはfarmerと呼ばれます。
データは細切れにされ、暗号化された上で複数のfarmerのストレージに分散して保存されます。
そのため、farmerからはどのようなデータが保存されているのか分かりません。
また、細切れにされたデーターは複数のコピーを持つので、特定のfarmerがいなくなっても保存したデータが即座に消えてしまうという事は起こりません。

分散型の為、巨大なデータセンターを構える必要もないため、調達や管理の為のコストが低く抑えられることで、提供価格も低く抑えることができます。


2017年1月9日月曜日

ビットコインソーシャルレンディングから撤退することしました



BTCjam、BitLendingClub、Bitbondへ自動貸出での投資を試みてきましたが儲かるどころか損失が広がる一方のため、撤退することにしました。

自動投資をとめた段階ですので最終的な損失は確定していませんが、30~40%程にはなると思われます。

ビットコイン価格が値上がりしているおかげで、円に戻せば損失分は補填できていると思われます。

損失の要因

損失がでる事は、利率以上に踏み倒す人が多かったという事になりますが、どのあたりに要因があったのでしょうか?
少し考えてみたいと思います。

ビットコインの価格上昇

ビットコインを保有している人にとっては価格上昇は嬉しい事ですが、ソーシャルレンディングにおいては少々事情が異なります。
貸出、返済はビットコインで行われるわけですが、借り手はビットコインを一旦自国通貨にして利用することとなります。
返済時は当然、自国通貨からビットコインへ両替をするわけですが、価格が上昇しているとソーシャルレンディングの利率に加え、ビットコインの値上がり分も返済のために必要となってしまいます。
そのため、想定以上に返済額がかさみ、返すのが困難になって踏み倒すという人も少なくはないのではと思われます。

なんというか、アメリカが利上げするとドルの返済に困る途上国みたいな縮図が見事に出来上がっているわけですね……

モラル、通貨価値、文化の違いと担保の難しさ

借り手の信用を測るために、免許などの証明書やtwitter等SNSの情報をリンクさせるわけですが、そもそも証明書が簡単に偽造できる国などでは何の保証にもなりません。
また、SNSにしてもアカウントが売買されていたりするわけですから、利用年数が長いからと言って借り手個人の信用に結び付くわけでもありません。

そもそもソーシャルレンディングで借りに来るということは、計画性もなく、ちゃんとしたところでお金が借りることができない人が多いというのもあるでしょうか。
気軽に借りる分、借金に対して返済をしなくてはいけないという意識が低い可能性も非常に高いですし、踏み倒して逃げたところでそもそも棄損する信用も無い人も多いでしょう。

貸す側としては、さしたる金額ではなくても、借り手にとっては大金となる可能性もあり、踏み倒すリスクに見合う価値がある可能性もあります。

文化や貨幣価値の違いから、同じ国内で貸し出す場合と比べて踏み倒す事前提で借りる人等がはるかに多い事を想定しないとなかなか成り立たないのではないでしょうか。
個々の借り手の社会状態を踏まえたうえで、信用の判断や担保たりえる物を抑えることができないと踏み倒しを防止するのは難しいと思われます。

取り立ての困難さ

支払いが遅延した場合の取り立て手段の確保は貸付を行う上でかなり重要です。
国をまたいで貸し借りとなると、債権があったところで取り立てに行くのは困難ですし、個々の貸し手の金額が少額なため、代理人を雇ったところで、経費の方が高くつきます。
また、提出されている書類がそもそも偽物であった場合、取り立てどころか借り手に連絡を付ける事すらほぼ不可能となります。

返済が滞った場合にきっちりと取り立てる手段があれば損失を防ぐことができますが、これが確立されていないために、サービス側で想定していた利率では足りないほどに貸し倒れが発生してしまい、大きな損失につながっているのではないかと思われます。


仮想通貨によるソーシャルレンディングの可能性

現状では貸し倒れも多く、サービスの拡大が困難と予想できるビットコインのソーシャルレンディングですが、リスクを減らしてサービスを拡大する方法が無いのでしょうか?

価格変動が少ない通貨を利用する

そもそも、借り手は一旦自国通貨に両替すると思われますので、ビットコインである必要が無いわけです。
例えば、rippleのようにドルに対して価格変動が少ない仮想通貨を利用することで、値上がりによる貸し倒れ増加リスクは低減できるのではないでしょうか。

担保を設定する

海外の掲示板ではsteamのアカウントを担保にビットコインの貸し借りが行われているケースが見受けられました。
国によって、借り手によっては個人情報など価値もなく、偽造も用意という場合もありますので、なんらかの担保たりえるものをおさえる必要はあるでしょう。
実際に売却をして補填できるものでなくても、返済をしようと思わせるために借り手にとって取り戻すために努力するかちがある何かをおさえておけば、返済が滞っても何とかして返そうという源泉になるのではないでしょうか。

国籍を制限する

BitLendingClubでも一部国籍の人はサービスの利用を制限しています。
公的資料の信用性が無いというような利用だったかと思います。
そもそも返さない人が多い国や取り立てが困難である国はサービス対象から除外するべきでしょう。
また、提出書類だけでなく、国籍もレーティングや利率の変動要因とすべきと思われます。
差別だと叫ぶ人もいそうですが、慈善事業ではないわけですから、文句があるなら皆で努力をして、いい国にしなさいという事です。


まとめ

大きく損失を出しましたが、お金を借りることが無い私としては、借り手の心理がほんの少しだけ見えた気もしますので、それはそれでいい経験になったかなと思っています。

金を借りに来るやつはカスだ!!
という認識が強まったのは良いやら悪いやらですが。

ソーシャルレンディング自体は発展の可能性が無いとは思っていません。
キャッシングやリボルビングのように、手軽にP2Pでお金を借りる時代が来ないとも限りません。
ただ、現状では国をまたいだソーシャルレンディングというものは早かっただけではないのでしょうか。
今は撤退しますが、状況が変われば再び参戦してみたいと思います。